お盆を迎えて、ふと子供時代を思い返したので、筆を執ってみました。
鯉のあらいを親族でご馳走になる催し
私が幼いころは、じいちゃんが元荒川で巨鯉を釣ると、ばあちゃんが捌いて鯉のあらいを親族にもてなしてくれます。
私の住む地域でも、普通に川で魚を釣って、その日の晩飯におかずとなっていた時代が確かにあったのです。
突然自宅の電話が鳴って、「じいちゃんが鯉釣ったから、食べに鯉。」
親族が揃って実家に集まりました。電話一本で親族が集まるってすごいですよね。
その日は決まって、じいちゃん家の風呂釜で黒々とした大きな鯉が泥吐かせのために泳いでいました。半日泥吐かせれば、全然おいしく食べられたのです。
ばあちゃんは出刃包丁を研いで、さっそく鯉をざっくり調理し始めます。
調理が終わるまでの私の楽しみは、鯉の浮袋で遊ぶことです。ばあちゃんからそれをもらうと、お宝を手にしたように、あれこれ遊んでいたのを覚えています。
最後はパン!と炸裂させてしまうのですが。。
同時に、うどん粉からうどんを作るのもご馳走です。
うどん粉をこねるとき、いとこ同士、おしくらまんじゅうのように足で踏みつける作業は子供ながらにおもしろい。
そして、うどんを包丁で切ると、長さや太さがチグハグしていて、中には川幅うどんのように極太めんも出てきます。
わたしは好んで太麺を食べていました。天ぷらはもちろん、畑でとれたてが揚げられます。
まもなく、鯉のあらいが出来上がり、親族で料理を食べながら宴会が始まっています。
お正月さながらに。
子供達にとって、鯉のあらいは小骨が多くとても食べづらい。しかし、みそだれにつけて食べる鯉のあらいは、普段食べているマグロなどの刺身とはまた違ったおいしさがあり、小骨を喉に詰まらせながら、突っついたものです。
今でもあの味は、はっきり覚えています。
田舎暮らしもいいものです。子供のころにいい時代を過ごされてもらったのかもしれません。
豊かな自然はまだある
時は流れ、祖父母は何年も前に他界し、鯉のあらいを食べる機会は無くなりました。
数年前には鯉ヘルペスウイルスがあるとかないとかで、養殖の鯉もあまり食べられなくなりました。
ただ昔でも川はそんなにキレイだった記憶はあまりありません。
普通に空き缶が水底に沈んでいた記憶がありますが、ペットボトルはさすがになかったですね。水質もそんなにクリアだったのかな~と思う程度です。
それでも、釣ったり、投網でとった魚をパクパク食べていたのです。
現在でも年配の方々は、田んぼでとれたどじょうやなまず、聞くところによると、うなぎやバスを釣って食べている方もおられるそうです。
まだまだ豊かな自然に囲まれているのは、ありがたいことです。そんな自然に感謝しながら、これからも釣りを楽しんで行きたいと思います。
アングラーさんにお願いしたいことは、ゴミは持ち帰ってくださいね。
きれいな釣り場をこれからも維持していきましょう。